旧暦の日付は現在の新暦に比べて約1ヶ月のズレがあります。かつての日本の一年の始まりは、梅がほころび始める立春(2月初旬)に近い新月の日でした。現在の1月は旧暦の師走頃にあたり、本格的な寒さはそのあとにやってきます。二十四節気では小寒、大寒の季節です。七草を食す旧正月七日は春いちばんの若菜摘みの季節でした。現代生活には不合理と思われがちな旧暦ですが、実際の季節を知るには、むしろ旧暦の方が的確な面があります。長い年月をかけて積み上げられてきた歳時記には二月の候に初春、三月の候に如月と併記されているのが現状です。たとえば旧暦皐月は現在の6月頃にあたります。五月雨月ともいうように長雨が続く季節です。田植えのときを迎え、苗には欠かせない恵みの雨。そして旧暦六月の水無月は現在の7月頃に相当し、暑さで水も枯れ果てることからきています。「旧暦日々是好日」では、各月の異名や各月を代表する季語を紹介しています。
| 睦月の雅名 | 太郎月 子の日月 霞初月 早緑月 初春月 端月 | 初春 |
| 如月の雅名 | 梅見月 初花月 小草生月 木の芽月 雪解月 麗月 | 仲春 |
| 弥生の雅名 | 夢見月 染色月 桜月 花月 春惜月 雛月 竹春 | 晩春 |
| 卯月の雅名 | 鳥待月 夏初月 花残月 清和月 木の葉採月 麦秋 | 初夏 |
| 皐月の雅名 | 雨月 五月雨月 梅月 橘月 月見ず月 早苗月 | 仲夏 |
| 水無月の雅名 | 蝉の羽月 風待月 常夏月 涼暮月 鳴神月 夏越しの月 | 晩夏 |
| 文月の雅名 | 秋初月 女郎花月 桐月 七夜月 愛逢月 涼月 | 初秋 |
| 葉月の雅名 | 萩月 秋風月 木染月 燕去月 雁来月 月見月 清月 | 仲秋 |
| 長月の雅名 | 菊月 竹酔月 夜長月 寝覚月 小田刈月 紅葉月 | 晩秋 |
| 神無月の雅名 | 時雨月 初霜月 醸成月 神在月 吉月 | 初冬 |
| 霜月の雅名 | 顔見世月 神帰月 神楽月 霜見月 雪待月 一陽来復 | 仲冬 |
| 師走の雅名 | 限月 極月 三冬月 雪月 春待月 梅初月 臘月 | 晩冬 |
日本独自の風土や自然の描写から誕生した月名です。睦月、如月…といった代表的な呼び名だけでなく、さまざまな月の名称がありました。こうした呼び名からも旧暦の季節感を知ることができます。旧暦の各月は必ず新月を迎える日、朔(さく)から始まり、望(ぼう)の満月を中心に、月が隠れる晦日(つごもり)までをひと区切りとする月の満ち欠けに忠実に設定されています。ですから旧暦八月十五日は必ず満月となります。三月三日は必ず三日月となり、七月七日は毎年上弦の月で、天の川がよく見える初秋の空でした。生活行事や歴史、文学も旧暦のリズムを頭に入れておくと、より理解しやすくなります。
睦月が初春、卯月が夏の始まり、文月が秋の始まり、神無月が冬の始まりにあたります。
